不満は挑戦のきっかけ

緑の木々

【不満は挑戦のきっかけ】

「今は昔と違い、身分の上下がなくなり様々な制度ができて誠に有り難いことです。
しかしその今を生きる若者が、争い事をただ高みから他人事のように見物し、文句だけを声高に叫んで満足する大人に育ったのだとしたら、何と情けないことか。」

この言葉は以前NHK大河ドラマで放送されていた「青天を衝け」で、渋沢栄一氏の奥様の千代さんが、政治に不満をぶつける門下生に対して伝えた言葉です。

不満ばかりを言い合い、自分が勇気を持って挑戦することを避け行動しない門下生に対し、千代さんが愛を持ってこの言葉を門下生に伝えた場面を観て私は、時代背景は違っていても人の心理にはやはり共通性があるなぁと感じました。

不満は、「自分以外の何かのせい」だと考える時に出てきます。

また、自分の無力感から、誰かがどうにかしてくれないかというような依存的な考えを持っていたり、完璧にできない自分を放棄したりする気持ちからも生まれてきます。

自分には力が無いと感じると、何かに正しさを求めては、批判的になったり。

と、、書いているうちに私自身にも身に覚えがあるなぁと、思い出したことがあります。

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サラリーマンの家庭で生まれ育ち、兄が二人いた私。

中学生だった頃、毎日母の作るお弁当のおかずはほぼ「茶色一色」。
母も仕事をしながら忙しい生活を送っていましたので、今思えば毎日3人分のお弁当作りは大変だったことでしょう。

前日の親子丼の具がご飯にのせられていたり、いもがかなり崩れてしまった肉じゃがとふりかけご飯。もつ煮込みも登場していました。

時にはおかずの汁がご飯に移り、更にお弁当箱から漏れ、弁当箱を包んでいたナプキンだけではなく、鞄や教科書、ノートまでおかずの汁がついてしまったことも。

友達の色とりどりのお弁当が羨ましく、「私のお弁当は恥ずかしい」と、私は母に文句を言っていました。

不機嫌に文句を言ってばかりの私でしたがある時「母のお弁当に文句があるなら自分で作りなさい」と父親に叱られてから、私は小さな挑戦を始めました。

始めてまず辛かったのはいつもより1時間くらい早く起きることでした。

ぼーっとする頭の中で、前日に下拵えしておいた食品を思い浮かべながら起床するところから始まります。

定番の黄色い卵焼きや、オレンジ色のニンジングラッセ、緑色のほうれん草のソテーなど、一品、二品と少しずつおかずの作り方を覚え、自分でお弁当を作るように。

慣れてくると1時間もかからなくなり、兄達の分のおかずまで作る余裕もできました。

この、小さな挑戦は今も私の武器となっております笑。

千代さんはおしまいに、「その勇気があれば良いのです」と話していました。

不満を持つことは自分を発見するチャンスにもなります。

自分にできることを見つけ、少しでも行動してみることから自分の環境は変わっていくのではないかと思うのでした。

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